1月10日は歴史上では皆さんご存じのように紀元前49年のガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)が、ローマの法律で禁止されているルビコン川を軍隊とともに渡りローマ内戦に突入した日として有名です。
ガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)は今のフランスやベルギーなどのガリア地方の属州総督としてガリア人の部族を次々に平定して名声を高めました。
これに危機感を抱いた元老院はガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)のガリア属州総督解任と本国召還を命じました。
そのままローマに単身で向かった場合は三頭政治の盟友であったポンペイウスを擁した元老院に拘束され政治生命が絶たれることになります。
ルビコン川はイタリアの小さな川ですが、ローマの法律ではこの川を軍隊を率いてわたることは許されず、ここで軍隊を解散して元老院の命令に従うか、軍隊を率いて内戦に突入するかの選択を迫られました。
その際に有名な「ここ(ルビコン)を越えれば、人間世界の悲惨。越えなければ、わが破滅」そして「賽は投げられた」と演説を行い、率いる軍隊の歓声とともにルビコン川を越え、これ以降ローマは広大な領域を舞台とした内乱に突入しました。
Sony NW-WM1Zポータブルプレーヤー
ソニーは他のメーカーに先駆けて歴史的に見てもウォークマンを販売し、デジタルオーディオの分野でもハイレゾの機種を2013年NW-ZX1を発売するなど早い段階からフラッグシップコンポーネントを販売しています。
そして、こういった最新の商品にありがちですが、これらのフラッグシップモデルは、将来のより低価格の機種の設計のためのベンチマークを提供してきた。
新しいSony NW-WM1Zポータブルプレーヤーはソニーの最新のフラッグシップポータブルオーディオデバイスです。
NW-WM1Z ポータブルプレーヤー
ポータブルプレイヤーは、最初のソニーウォークマンを発売して以来ずっと進化し続けています。
現在の最先端のポータブル製品は、高性能の卓上型コンポーネントと同じくらい高度な技術を備えています。
しかし、スペース的な余裕のあり内部の部品に必要なだけスペースをさける卓上型コンポーネントとは異なり、ポータブルコンポーネントでは、サイズと重量が重要な問題であり、技術的にも非常に難しくなります。
こういったポータブルプレイヤーを使う多くの方がそうであるように、最も軽く最小のデバイスを求めています。
Sony NW-WM1Zの概要
コンパクトではあるが、NW-WM1Zは455グラムで軽量とは決して言えません。
その理由は、その筐体が無酸素銅切削筐体モデルの単一インゴットから彫刻され、製造後に99.7%の金が内外にコーティングされているからです。
このシャーシ素材を選んだのは、アルミニウム製の標準的な筐体よりも優れた機械的および電子的な絶縁性を提供しているからです。
NW-WM1ZのOSは、SonyのNW-ZX1やNW-ZX2プレーヤーのようにAndroid OSを使用しないオリジナルシステムです。
NW-WM1Zは、ユーザーがAndroid Playストア経由でサードパーティプログラムを追加することはできません。
NW-WM1ZはWi-Fiもサポートしていないため、ストリーミングで音楽を聴いたり、NW-WM1Z単体でファームウェアのアップグレードを行うことはできません。
NW-WM1ZはBluetoothの最新バージョンをサポートしていますが、これはBluetoothイヤホンに接続するためのもので、Bluetooth経由でのデザリングもサポートしていないようです。
NW-WM1ZはUSB端子を持っていますが、そのUSBはファイル転送と充電のために使用するものでUSB DACアンプ等とデジタル接続が可能になりますがUSB DACとしての機能は持っていません。
独自のOSは拡張性を犠牲にしますが、簡単な操作性とノイズの除去などに役立ちますので、純粋に音楽のみを視聴したのであれば、拡張性を無視してでも大きなメリットがあると思います。
NW-WM1Zには、無酸素銅切削筐体シャーシ以外にも、多くの技術的特長があります。
NW-WM1Zは、新しく開発された2つの100MHz互換のICの雑音を受けにくいレイアウトが可能になり、より低位相ノイズな発振器を使って発振周波数が2倍になっているデュアルクロック発振器システムを採用しています。
これはNW-WM1Zが前機種のNW-ZX2よりも大くなった主な理由であり、ソニーのエンジニアが個々のコンポーネントをさらに離れた場所に配置してNW-WM1Zのレイアウトを設計できるためです。
ノイズをさらに低減するために、NW-WM1Zの最適化された基板でオーディオとパワー/デジタルブロックを物理的に分離した状態になっています。
NW-WM1Zには、ソニー独自の信号処理方法がいくつか採用されています。
ソニーによれば、「圧縮の過程によって切り捨てられた上限周波数を復元する」という5つのモード(スタンダード/女性ボーカル/男性ボーカル/パーカッション/ストリングス)をユーザーは選択可能です。
NW-WM1Zには、DCフェーズリニアライザー搭載により、伝統的なアナログ方式のパワーアンプの位相特性を再現しています。「Type A Standard」や「Type B Low」などの6種類の設定を提供しています。
NW-WM1Zには、特にポータブル機器向けに開発されたCDX-3779GFと呼ばれる「フルデジタル」出力アンプがあり、自然なDSD出力、高出力、平衡信号を出力できます。
また、NW-WM1Zのサウンドを10バンドのEQとトーンコントロールで3つまでプリセット可能な自分好みのアレンジを行うことが可能になります。
フラッグシップポータブルオーディオデバイスとして期待されるように、NW-WM1Zは、MP3、FLAC、WAV、ALAC、およびAIFF形式だけでなく、DSDを最大4倍、PCMを最大384/32までサポートします。
NW-WM1Zが再生できない唯一のフォーマットはMQAファイルくらいですが、主要なファイル形式をサポートしていますので問題はないと思います。
NW-WM1Zの操作性
NW-WM1Zには、片側に基本コントロールボタンがあり、タッチセンサーディスプレイ、もう一方のホールド/ロックスイッチ、上部に2つのヘッドフォンコネクター、下部にUSBとmicroSDカードスロットが装備されています。
2つのヘッドホン接続の理由は、標準のミニステレオコネクタであり、もう1つは接続安定性の高いΦ4.4mm(JEITA統一規格)バランス接続を採用。
NW-WM1Zは、今までにない操作性として4.0型、FWVGA(854×480ドット)のタッチパネル液晶を上下や左右にスワイプすることでライブラリートップ/各種音質設定/再生リスト/ブックマークリストなど、それぞれのコントロール画面から別のコントロール画面に移動できる新しいユーザーインターフェースを採用しています。
NW-WM1Zの操作は直感的に行うことが可能で、スマートフォンなどの操作に慣れた方であれば簡単に操作できます。
ただし、込み入った設定や改良を行う場合はマニュアルを見る必要があります。
NW-WM1Zの付属品
NW-WM1Zには、USBケーブル、リストストラップ、WM-PORTキャップ、ヘッドホンジャックキャップ(ステレオミニ)、ヘッドホンジャックキャップ(バランス標準、取扱説明書、使用上のご注意/主な仕様、保証書、製品登録のお願いが入っています。
NW-WM1ZにはNW-ZX1のように専用のケースは付属していません。
NW-WM1Zは無酸素銅切削筐体モデルの筐体のため丈夫そうに見えますが落とした時に傷がつくのが嫌なので専用のケースは早急に用意したいところです。
NW-WM1Zのデータストレージ容量は256GBの内部ストレージがあり、最大256GBの1枚のmicroSDカードの増設が可能で、総容量は512GBになります。
microSDカードに関しては出し入れが難しいほかに、microSDカードを交換することが可能で自動的にデータが認識される多くのポータブルプレーヤーとは異なり、NW-WM1Zは音楽ファイルを「music」フォルダに置かない限り、ファイルを見つけたり認識したりしません。
他のメーカーのポータブルプレーヤーでは利用できないユニークなソニーの機能として、SensMe–機能の音楽をシャッフルする機能です。このシャッフル機能は、朝、昼間、夕方、真夜中、元気、リラックス、快活、優しい、ラウンジ、感情的、ダンス、など12のカテゴリーによってライブラリーから曲を自動的に選択してくれます。
これはソニーの下位機種にも採用されていますので音楽がライブラリーが充実していている方は、個人的なラジオ局を持っているのとほとんど同じなのでニーズは高いと思います。
NW-WM1Zのサウンド
NW-WM1Zはよりナチュラルでアコースティックな領域まで再現できるモデルなので目指しているサウンドはポータブルプレーヤーとしてではなく、非常に単純になると思います。
どちらかというと室内でりようする据え置き型のデジタル再生システムと競合すると思います。
そう考えるといくつかの項目でこの目標の達成を成功していると思います。
NW-WM1Zは、パソコンや据え置き型のデジタル再生システムと同じくらいの低音機能を生み出すことができない他のポータブルオーディオプレーヤーとは違って、十分に再現されています。
NW-WM1Zは音源の形式に関係なく、ノイズレベルはほとんどのポータブルプレイヤーのノイズレベルよりも低く常に完全にコントロールされていました。
NW-WM1Zの「自然な」サウンドは10バンドEQを使用することによって、音質を大幅に変えることができます。
もちろん、何も設定を変えなくても十分な音質を楽しむことができ明日が、イコライザーの設定は個人の好みにも影響を受けますが、それ以上に接続するヘットフォンにも依存します。
NW-WM1Zのアンバランス出力とバランス出力を直接比較するために必要な4.4mm終端ケーブルとアンバランス出力ケーブルを備えた唯一のヘッドフォンは、Sony MDR-Z1Rヘッドフォンです。
Sony MDR-Z1Rヘッドフォンを使用して、アンバランス出力とバランス接続で聞いた違いは非常に大きく、4.4mmのバランス接続ジャックにプラグを差し込むと、若干の間を置いて左右の音を完全に分離するため回路が切り替わる音が本体からきこえてきます。
プレーヤーの画面左上には「Balanced」のアイコンが表示され、バランス接続に切り替わったことを知らせてくれます。
アンバランス出力の4倍のドライブ能力を持つアンプを使用すると、全体的な音が流動的で余裕があり、音色のサイズと範囲に大きな違いが生じました。バランスの取れた出力ではそうでないときと比較して特に低音で大きな違いが現れました。
NW-WM1Zを利用する際にはフルサイズのヘッドフォンの4.4mmバランス接続をサポートするアダプタまたは新しいケーブルを入手することをおすすめします。
NW-WM1Zで利用するヘッドフォンとしては優れているのは、バランス接続を使用したMDR-Z1Rヘッドフォンでした。
この組み合わせで音楽を視聴すると静かな背景や巨大音響空間でのサウンドステージ、深みのある低音のレスポンス、音楽的で細かい表現が可能な中域、静かな素材でさえ十分に再現がされていると思います。
出費を考えずに音質だけを考えるとNW-WMZ1は最高のポータブルプレーヤーとして評価できるかと思います。
しかし、その性能を生かすためにはその他に、もう1台十分な性能を持ったポータブルオーディオプレーヤーが購入できるほどの価格であるMDR-Z1Rを購入する必要があることです
そう考えるとNW-WMZ1には理想的なポータブルプレーヤーであるかどうかを考えるときに大きな影響を及ぼすいくつかの制約があります。